この記事では、新東名高速道路の工事現場で実際に働いた筆者が、買って正解だった腰道具・工具だけを厳選して紹介します。「最初に何を揃えればいいかわからない」「種類が多すぎて選べない」という方の参考になれば幸いです。
この記事でわかること
- 現場初日までに揃えるべき必須の腰道具
- 慣れてきたら追加したい便利アイテム
- 実際に使ってわかった「選び方のコツ」と「失敗談」
【まず確認】初心者が最初に揃えるべき腰道具一覧
| 道具 | 優先度 | 価格帯の目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 安全帯(フルハーネス) | ★★★ | 15,000〜25,000円 | 高所作業なら必須。セットがお得 |
| 腰袋 | ★★★ | 3,000〜5,000円 | 深めで型崩れしないものを |
| ラチェットレンチ | ★★★ | 2,000〜4,000円 | 17×21mmが最も出番多し |
| 番線カッター | ★★★ | 1,500〜3,500円 | 切れ味=作業効率。ケチらない |
| モンキーレンチ | ★★☆ | 3,000〜5,000円 | 多機能タイプで荷物を減らせる |
| ハンマー | ★★☆ | 1,500〜3,000円 | 思った以上に出番あり |
| ハッカー | ★★☆ | 5,000〜13,000円 | 鉄筋作業があるなら必須 |
| スケール(コンベックス) | ★★★ | 2,000〜4,000円 | マグネット付きが圧倒的に便利 |
| カッター | ★★☆ | 500〜1,500円 | オートロック式+黒刃を選ぶ |
| 折込みノコ | ★☆☆ | 1,500〜3,000円 | あると助かる場面が多い |
| ミニバール | ★☆☆ | 1,000〜2,000円 | 狭い場所での作業に重宝 |
ポイント: ★★★は現場初日から必要になることが多い道具です。まずはここから揃えましょう。
使用頻度が高い腰道具・工具【必須編】
安全帯(フルハーネス式)
僕が最初に配属されたのは新東名高速の工事現場でした。ほとんどが高所作業だったため、安全帯は文字どおり”命綱”。1丁掛け・2丁掛けでもOKでしたが、現場ではフルハーネス式が推奨されていました。
ランヤード・胴当て・胴ベルトがセットになった商品を選べば、個別に揃えるよりお得です。これから高所作業のある現場に入る方は、最初からフルハーネスを買っておくのが無難でしょう。
腰袋
胴ベルトに取り付ける道具入れ。ホームセンターに行くと種類の多さに圧倒されますが、選び方のポイントは「深さ」と「硬さ」の2つです。
【失敗談】 最初にワークマンで適当に選んだ腰袋は、浅くて生地も柔らかかった。結果、道具が後ろ側に倒れて何度も落下&紛失しました。
買い直したのがフジ矢のウエストラインシリーズ。深さがしっかりあり、EVA内蔵生地で型崩れしにくいのが決め手でした。差し色のオレンジも現場で映えて気に入っています。
選び方のコツ: 安いものを買って失敗→買い直しのパターンは非常に多いです。最初から「深め・硬め・ポケット多め」の腰袋を選ぶと後悔しにくい。
ラチェットレンチ
入社直後に「まずこれ買え」と言われたのがラチェットでした。正直、最初は何に使うのかすら知りませんでしたが、ボルトの締め・緩め、番線の結束など、とにかく出番が多い。
サイズは17×21mmが圧倒的に使用頻度が高いので、迷ったらまずこのサイズを。
現場あるある: 銀色のラチェットを使っている人がほとんど。休憩後に「あれ、俺のどれだっけ?」となりがちなので、黒やカラー付きを選んでおくと自分の道具がすぐ見つかります。
番線カッター
ラチェットと並んで「必須」と言われたのが番線カッター。木材や足場を番線でまとめたり、足場の固定に番線を使ったりと、とにかく切る場面が多い道具です。
番線を切るスピードは作業効率にダイレクトに影響します。切れ味が悪い安物を使っていると、イライラするだけでなく周りにも迷惑をかけかねません。ここは投資する価値ありです。
お財布に余裕があるならオールステンレスがおすすめ。 雨の中での作業後に放置しても錆びにくく、切れ味が長持ちします。錆びると一気に切れなくなるので、長い目で見るとコスパが良いです。
モンキーレンチ
番線カッターと一緒にカラビナにぶら下げていたのがモンキーレンチ。腰袋と同じくフジ矢さんの製品を愛用していました。
このモンキーが優秀なのは1本で複数の機能を兼ねている点です。
- 最大まで開いてもアゴが出ない安心設計
- 肉抜きによる軽量化
- 10mm・13mmのメガネレンチ付き
- 17mmのギアレンチ付き
腰道具はなるべく数と重さを減らしたほうが体への負担が少ない。その点、これ1本で何役もこなせるこのモンキーは非常に優秀です。黒金カラーで現場で被りにくいのも地味にうれしいポイント。
ハンマー
「大工じゃないし、そんなに使わないだろう」と思っていたら、予想以上に出番が多かったのがハンマーです。
釘の打ち・抜きはもちろん、解体作業時に木材や単管パイプを叩いたり、バールを隙間に入れるために叩いたりと、意外なほど幅広いシーンで活躍します。
サイズ選びが重要で、 小さいと打つ力が足りず、大きい(長い)と重くて疲れます。自分の現場と用途に合ったサイズを先輩に相談して選びましょう。
ハッカー
結束線を縛るための道具。鉄筋作業がある現場では必須アイテムです。
現場の親方に「しょぼいハッカー使ってるとなめられるぞ」と言われ、良いものを買って長く使う方針に切り替えました。
ベテランの職人さんや鉄筋屋さんに聞くと、「行き着く先はMIKIのBXハッカー」 という意見が多数。値段はそれなりにしますが、使い心地と耐久性を考えると納得の投資です。
スケール・コンベックス
「コンベックスって何?」からスタートした僕ですが、現場に出ると長さを測る場面が想像以上に多く、スケールなしでの作業はまず考えられません。
タジマの剛厚シリーズは、テープを伸ばしても折れにくく非常に使いやすいです。
おすすめポイントをまとめると以下のとおり。
- セフ付きで腰ベルトからワンタッチ着脱
- ツメにマグネット搭載で金属面にピタッと貼り付けて測定可能
- マグネットで金属製の小さな部品やゴミを拾うのにも使える
特にマグネット付きは一度使うと元には戻れません。
カッター
番線カッターではなく、いわゆる普通のカッターです。テープやシートを切ったり、ロープを切ったりと、こちらも使用頻度が高い。
選び方のポイントは2つだけ。
- オートロック式を選ぶ(ネジ固定式はいちいち締めるのが面倒)
- 特専黒刃の商品を選ぶ(切れ味が段違い)
現場では黄色いカッターを使っている人が多いので、銀色など別の色を選んでおくと見分けがつきやすいです。
折込みノコ(手ノコ)
コンパクトに折りたためるのこぎりです。「折りたたみ式ってヒンジの強度が不安…」という声もありますが、この商品はガタつきもなく頑丈な作りで安心して使えます。
ヤニが付着しにくいフッ素ブラック塗装が施されており、錆びにくい。それでいて替刃も安価なので、維持コストが低いのも魅力です。
ミニバール
釘抜き・テコ・ハガシ作業に使う小型のバールです。大きなバールでは入れない狭い場所で真価を発揮します。
軽くこじるだけでスムーズに釘が抜けますし、軽量なので工具ホルダーに入れておいても邪魔になりません。「なくてもいいけど、あると確実に助かる」タイプの道具ですね。
慣れてきたら追加したい便利アイテム
工具ホルダー(ハンマー用)
ハンマーを大きめの腰袋に入れる人もいますが、僕は工具ホルダーにぶら下げたほうが動きやすかったです。ラチェットレンチやミニバールも一緒に入ります。
タジマのセフ対応シリーズは、使わないときにカチャッとワンタッチで外せるのが便利。こちらはアルミ製で軽量なのもポイントです。
工具ホルダー(カラビナ)
同じくタジマのセフ対応カラビナ。僕はモンキーレンチと番線カッターをぶら下げて、すぐ取れるようにしていました。
作業用手袋を外した際に挟んでおけるのも地味に便利。アルミ製のダブルタイプを選ぶと、2つの道具を同時にぶら下げられて使い勝手が良いです。
セーフティーコード
高所作業時に工具の落下を防止する紐です。僕はBXハッカーにつけて使っていました。鳶さんはラチェットにもつけていることが多いです。
実体験: 騒音のある現場で作業中、道具を落としたことに気づかず、しばらくしてから紛失に気づく…というケースがありました。落下防止だけでなく、紛失防止にも効果大です。
まとめ:腰道具選びで大切な3つのこと
① 安物買いの銭失いに注意 安い道具を買って失敗→買い直しは本当にあるある。特に腰袋・番線カッター・ハッカーは最初から良いものを選ぶのがおすすめです。
② 重さと数は最小限に あれもこれもと腰にぶら下げると体への負担が大きくなります。モンキーレンチのように1本で複数の役割をこなせる道具を選ぶと、腰への負担をぐっと抑えられます。
③ 自分の道具は見た目で差別化 現場では同じ道具を使っている人が多いです。黒やカラー付きなど、見た目で自分のものとわかるようにしておくと、取り違え・紛失のリスクを減らせます。
この記事が、これから土木の現場に出る方の参考になればうれしいです。現場や作業内容によって必要な道具は変わりますので、まずは先輩や職長さんに相談しつつ、少しずつ自分に合った腰道具を揃えていきましょう!

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